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経済・経営・株式・投資 時事評論

元投資銀行マンの時事評論 (旧社長お時間です)

Archive for the '株・為替・債券' Category

10 17th, 2009

2009年10月17日

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JALの問題やら経営危機が連日報道されています。金曜には株価が上場来安値を更新しました。終値ベースで時価総額は2759億円まで下がっています。ちなみにライバルのANAの時価総額は6312億円ですからJALANAの4割程度です。

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JAL救済のために2500億円程度の債権放棄や年度内に3000億円の追加融資等、巨額の資金が必要と報じられています。財務上、どのくらい悪いのかBSPLをちょっとみてみました。

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連結損益計算書 (単位 百万円)  JALHPからのデータです。

クリックすると大きくなります。

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昨年が約630億円の赤字。ちなみに今期の第一四半期(4~6月)がすでに990億円の赤字なので、通期だともう天文学的な赤字になりそうです。

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↓昨年度の連結貸借対照表の抜粋です。現金及び預金が1636億円、受取手形と未収金が1709億円です。第一四半期が990億円の赤字ですが、この赤字が第二四半期も続いたとすれば、手元の現金がかなり厳しい状態になっているはずです。(通常第二四半期は夏休みがあるので売上が良いはずですが、、)大騒ぎをするのも無理はありません。

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クリックすると大きくなります。

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何でこんなに赤字になるのかと言う話ですが、労使関係が問題でかつ人件費が高いからであるとか言われています。

ここで航空運送事業での営業費用のセグメントを見てみます。↓

問題視されている人件費ですが、費用全体の15.6%で極端に高いと思われる比率ではありません。むしろ額はじわじわと下がっています。それに対して費用が増えているのは燃油費で、昨年は2002年度の倍のコストがかかっています。原油価格が高騰してはいるとは言え、七年前の倍以上のコストがかかっているのは厳しいです。

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クリックすると大きくなります。

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それに加えて費用に共通経費、その他という項目があります。正直言ってここはブラックボックスです。燃料の仕入ルートもそうですが、どうもJALの経営には色々な利権やしがらみがあってコストではなかなか削減できない部分があるように見えます。

もちろんコストばかりでなく、売上で顧客が少ない赤字地方路線も政治力で運行せざるを得ないのも理由でしょう。

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売上とコスト構造を完全にオープンにしない限り、抜本的にJALの再生は難しいでしょうね。

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投資業界出身としては「死人に鞭打たない」というのがマナーと思っていますので、これ以上ダメ押しするのは止めておきます。

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以下続く。

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2009年7月26日

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仕事上、上場(IPO)準備中のベンチャー企業、ベンチャーキャピタル、ファンドと話す機会が多いのですが、ここ1年ほどは上場数が減っており、かなり苦戦している話をよく聞きます。

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ここ数年の株式上場数を見てみます。(野村證券さんのデータをお借りします。)

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(クリックすると拡大します。)

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ここ数年の東証、大証、ジャスダックを併せた上場数は、

2006年  166社

2007年  110社

2008年   47社

です。そのうちベンチャー企業が目指す、東証マザーズ、大証ヘラクレス、ジャスダックNEOの合計は

2006年   78社

2007年   51社

2008年   22社

です。確かに「激減」しています。ここで今年の上場をまとめてみました。

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なんと上場した社数は7月まで10社、そのうちマザーズ、NEO、ヘラクレスを合わせたのはたった4社です。このままだと今年の上場合計は20社にもとどかない可能性が大です。2006年の166社からすると今年は1/8、1/9の上場数レベルです。

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ここまで上場数が減っている理由ですが、市場関係者で言われていることがあります。

先行して上場した新興企業で上場後に不祥事?を起こすところがあり、内部統制、コンプライアンス等の整備が必須、厳しくなり、上場のための条件がクリアし難くなった。

厳しくなった理由も上記と同様。取引所の審査部門も上場基準を実質的に厳しくした。(昨年に取引所の上場審査官が交代したのも理由?)

ジャスダックと大証の合併で、新興市場部門の方針決定に時間がかかり、その影響で上場数が減っている、

不況でベンチャー企業の自身の経営状況が芳しくなく、上場できる状態ではなくなった。

等です。確かに上場後に問題を起こした企業があるのですが、それにしてもその理由で上場が減っているとすれば、それを目指す企業にとっては非常に厳しい状況です。

もちろんそこに投資しているベンチャーキャピタル、ファンドとっても同様で、この状況が続けば死活問題になります。

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当然ですが上場によって得られる資金はベンチャー企業にとって大変重要です。特に営業キャッシュフローのない、いわゆる開発型ベンチャーにとってはこの資金調達は生きるか死ぬかの資金です。

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この状況はいずれか改善するかも知れませんが、しばらくは厳しい状況が続きそうです。

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