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元投資銀行マンの時事評論 (旧社長お時間です)
Archive for 9 月 9th, 2008
米国住宅公社救済 パンドラの箱を開けちゃいました。
Author: 高見澤 敦
米国の住宅公社(連邦住宅抵当公社:ファニーメイ、連邦住宅貸付抵当公社:フレディマック)の米国政府が2000億ドル(21兆円!!)で救済する記事が昨日の日経新聞の一面を飾っています。
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米国の住宅公社は、「公社」と名乗っているのですが、本来は米国政府の保証がついているわけではありません。かつてグリーンスパン議長も財務長官も政府は財務保証をしていないとコメントしています。
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その保証をしていないといった米国住宅公社(連邦住宅抵当公社:ファニーメイ、連邦住宅貸付抵当公社:フレディマック)を助けるわけですから、信用市場の問題に対して我々の予想以上に危機感があるのでしょう。
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かつて私は米国投資銀行にいましたが、このファニーメイもフレディマックも債権を発行しており、投資銀行の外債部(外国債券部)にとってはメジャーというか一般的な商品として日本の機関投資家(銀行、生保、農林中金)に販売しておりました。
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先日も農林中金が5兆5000億円!(農林中金って、投資銀行にとっていいお客さんですね。)のこの公社債を買っていることを公表しています。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080717AT2C1701N17072008.html
この記事では三菱UFJフィナンシャル・グループも3兆3000億円所有していると報じています。農林中金はサブプライムで1000億円以上ふっとばしちゃってますが、この公社がおかしくなると、損害はサブプライムの比じゃありません。
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ちなみに、農林中金が所有する5兆5000億円は農林中金の15年分の経常利益(昨年3631億円、http://www.nochubank.or.jp/disclosure/pdf/discr_08_2.pdf )、三菱UFJフィナンシャル・グループが所有する3兆3000億円は3年分の経常利益(昨年1兆290億円
、http://www.mufg.jp/ir/fs/backnumber/2008mufg-mar/pdffile/highlights0803.pdf )
に相当です。米国住宅公社がおかしくなったら大騒ぎどころじゃありません。
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米国住宅公社債への投資は農林中金や三菱UFJフィナンシャル・グループが特殊なケースでなく、ごく一般的なものであるため世界中の投資家が買っています。よって、おかしくなった場合、世界中に多大な損害を与えます。さらに世界中の金融機関を混乱させるばかりでなく、ただでさえサブプライム問題で米国の金融市場に対する不信があるのに、これにより米国の金融市場の機能にとどめを刺される可能性が大です。両公社の救済は不可避なのでしょう。
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米国政府の金融危機回避の強い姿勢が見えたことで、金融市場・信用市場はいったんは落ち着きをみせるかもしれません。昨日の東京の株式市場も大幅に上昇し、米国の株式市場も上昇(この原稿を書いている時はまだ市場が終了していませんが)しています。
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当然ながら、民間の米国金融機関の信用不安はまだ完全に払拭されていませんので、信用関係のニュース一進一退を繰り返すのでしょう。
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ケースは違いますが日本のように失われた10年といわれるような長い期間の低迷にならない事を祈るのみです。
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