

経済・経営・株式・投資 時事評論
元投資銀行マンの時事評論 (旧社長お時間です)
Archive for 1 月 26th, 2009
トヨタ 来期予想
Author: 高見澤 敦
2009年1月26日
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前回、昨年末(12月28日)にトヨタの来期予想を書きました。
http://brainfact.asia/wordpress/archives/713
大手証券や経済誌も予想していますが、大半は赤字で1兆円の赤字を予想しているところもあります。
トヨタの業績予想に興味のある方が多いようで、ちょっと細かく書きたいと思います。
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その後も次々とニュースが流れています。長くなりますが、ニュースをなぞってみます。
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トヨタ、1―3月国内生産42%減 中部経済新聞 2008年12月29日
http://www.chukei-news.co.jp/news/200812/29/articles_7808.php
「トヨタ自動車は、向こう三カ月(〇九年一~三月)の車両生産計画を策定した。この間の国内生産台数は、前年同期比42%減の六十六万台。日当たり生産台数の平均は、五千台減の一万二千台。海外は、43%減の六十六万台となる。世界的な景気後退で北米や欧州、日本など先進国を中心に販売が低迷しているためだ。この結果、〇八年度(〇八年四月―〇九年三月)の世界生産台数は前年度比15%減の七百三十万台程度になる見通しとなった。」
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トヨタ、1~3月国内生産半減 採算ライン割り込む 産経新聞 2009年1月17日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090117-00000518-san-ind
「トヨタ自動車の1~3月の国内工場での生産台数が前年と比べてほぼ半減する見通しになったことが17日、わかった。工場稼働日1日あたりの生産台数は1万台以下にまで減る。これは1日1万1000台とされる採算ラインを割り込む台数で、30年前の第2次石油危機時の水準にまで落ち込むことになる。昨年の販売台数で「世界一」が確実視されるトヨタだが、世界的な自動車不況によるダメージは一段と深刻なものとなってきた。
当初計画では、トヨタは1~3月中に計14日間の大規模な稼働停止日を設定。1日あたりの生産台数を比較的好調だった前年同期と比べ3割減の1万2千台程度にまで減らす予定だった。だが、北米での現地生産車の在庫が80~90日間分という高水準にまで積み上がるなど、世界中で在庫が増加。昨秋以来の世界的な新車販売の低迷にも歯止めはかからず、一段の減産強化を余儀なくされた形だ。」
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トヨタ自動車、今夏にも期間従業員をゼロに 読売新聞 2009年1月20日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090120-00000002-yom-bus_all
「トヨタ自動車が、非正規雇用である国内12工場の期間従業員を今夏にもゼロにする方向で調整に入ったことが19日、明らかになった。
トヨタは2008年末時点で4500人いた期間従業員を09年3月末までに3000人に減らす計画を打ち出しているが、世界的な新車販売不振に歯止めがかからないため、もう一段の削減で生産現場の余剰人員の解消を目指す。
自動車業界では、ホンダが期間従業員をゼロにする方針を示しており、国内の雇用情勢に大きな影響を及ぼすのは必至とみられる。
トヨタの期間従業員は、ピークだった05年上半期に約1万1000人、08年3月末には約9000人いた。期間従業員は業績好調時には人員不足となっていた工場での増産体制を支えていた。
一方、正社員(一部パートなど含む)は約6万9000人で、トヨタが運営する病院には派遣従業員が数十人勤務している。」
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トヨタが直面する「世界一」の代償、過剰生産解消が急務 ロイター 2009年1月22日
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnTK023504620090122
トヨタ自動車が2008年世界販売で米ゼネラル・モーターズ(GM)を上回り、77年ぶりに業界の首位が交代した。しかし、自動車需要が急減する今の局面では、頂点を目指すために増やした設備や人員が逆に負担となり、初の営業赤字に転落する一因となっている。事業環境の回復が当面見込めない中、トヨタが黒字浮上を実現するには、過剰生産能力の解消や人件費削減で固定費の圧縮を急ぐ必要がある。
<意外にぜい弱な体質>
自動車メーカーが黒字を確保するために必要な工場の稼働率(損益分岐点)は、7割が一般的な水準とされる。トヨタは明らかにしていないが、関係者によると、同社の損益分岐点は8割程度まで上昇しているとみられる。需要が2割落ちれば採算割れする計算で、同関係者は「意外にぜい弱な体質になっていた」と話す。
トヨタは年間約1000万台の生産能力を抱えるものの、2009年3月期の販売は前年実績比15%減の754万台を見込んでいる。昨年末に今年度2度目の業績下方修正をした際、売上高の修正幅が1兆5000億円だったのに対し、営業損益の引き下げ幅が7500億円と大きかったのは、円高の影響もさることながら「操業率が損益分岐点を下回ったことが影響している」(証券アナリスト)とみられる。
トヨタの損益分岐点が上昇したのは、1990年代半ば以降の規模拡大で、生産設備と人員が膨らんだ影響が大きい。2010年代の早期に世界シェアを15%に引き上げることを目指し、年間50万─60万台という富士重工業クラスのメーカーが毎年1社誕生するペースで世界各地に生産拠点を開設してきた。
トヨタが20日公表した08暦年の販売台数は897万台で、7年前に比べて1.5倍の規模となった。21日にGMが発表した835万台を抜いて業界の頂点に立ったが、その一方でトヨタの設備投資額は7年前に比べて1.7倍の1兆4000億円に増加した。それに伴い減価償却費も1.5倍の1兆円に膨らみ、従業員数は1.5倍の32万人に増えた。
<海外シフトの強化必要>
トヨタは今後、年間の販売台数が08年比12%減の700万台(単体)でも利益が出る体質に改善する。生産能力の増強は原則として見送るほか、国内では非正規従業員の削減に動いている。しかし、事業環境は想定以上のペースで悪化しており、さらに踏み込んだ固定費圧縮を迫られる可能性がある。
別の関係者によると、国内工場では2月と3月の生産が、昨年末に計画していた前年比3割減を上回り、半減近くまで落ち込む見込みだという。海外への輸出が多い国内工場は円高のマイナス影響を受けるため「統廃合して生産の海外シフトを一段と強化せざるをえない」(別の証券アナリスト)との指摘もある。(以下略)
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トヨタ、国内6割減産 4月、在庫調整を継続 中日新聞 2009年1月24日
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2009012402000062.html
「トヨタ自動車の4月の国内生産台数の計画が、前年同月比で6割近い減少になることが23日、分かった。月産14万5000-14万8000台程度で、昨年4月の実績(33万1000台)から大きく落ち込む。仮にこのペースが続けば、正社員の雇用に手を付けざるを得なくなる可能性が出てくる。
トヨタは1-3月に在庫調整のための減産を計画し、1日当たり生産台数の削減や、昼夜二交代勤務の「二直」から「一直」への変更、生産停止日の設定による稼働日数の削減などを実施。4月からほぼ正常化させたい意向だった。
だが販売不振は想定以上に深刻化。3月末までに在庫を適正水準に戻すことが困難になり、4月も減産強化を迫られる形となった。
1日当たりの生産台数では、1-3月は当初、前年同期比3割減の1万2000台程度だったが、2-3月を8000台後半に下方修正。4月は、休業日などを設けずに稼働日数を確保する場合、7300-7400台程度に落ち込む。
2007年からリーマン・ショック(08年9月)までは1万6000-1万8000台程度で推移。08年4月は1万6900台だった。
仮に4月の水準が1年間続けば、国内の年産台数は計算上、約180万台となる。トヨタが国内正社員の雇用を維持するためのラインとしている300万台を4割も下回る。
トヨタは契約を更新しない形で期間従業員を削減しているが、正社員の雇用は守る考えを表明。だが大減産が続けば雇用問題が浮上しかねず、取引先にも甚大な影響を与える。「5月以降は上向く」との見方もあり、市場動向を見極めて計画を柔軟に見直す。
トヨタの年間国内生産台数は07年が422万台で、08年は401万台になる見通し。」
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トヨタ、国内生産300万台と想定…前年比100万台減に 読売新聞 1月26日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090126-00000009-yom-bus_all
トヨタ自動車が2009年の国内生産台数(単体)を前年実績(見込み)より約100万台少ない300万台程度と想定していることが25日、分かった。
国内生産の減少は2年連続となる。世界的な販売低迷が一層深刻化すれば、「正社員雇用を維持する最低水準」(首脳)と位置づける年300万台を下回る恐れもある。300万台を割り込めば1979年(299万台)以来30年ぶりとなる。
国内が5割弱を占める世界生産台数は650万台前後と、03年(607万台)以来の低水準となる見込みだ。
トヨタの国内生産は、世界同時不況による新車販売の急減で、輸出が落ち込み、08年は7年ぶりのマイナスとなる401万台になる見通しだ。
国内工場では年明け以降、操業時間を短縮したり、稼働休止日を追加したりして、前年同期比5割前後の減産を実施している。「世界の市場回復は早くて年末」(幹部)との見方もあり、当分低い稼働率が続く可能性が高い。トヨタは労働組合との交渉で正社員の雇用を維持する方針を確認しているものの、生産減に伴う雇用の過剰状態が続けば、賃金引き下げの圧力が高まる可能性もある。
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ここで話を総合すると、
・ 昨年末での平成20年4月~平成21年3月期の連結で売上予想は21兆5000億円、1500億円の営業赤字。昨年の売上高は26兆2892億円、よって今期通期の予想は前期の82%の売上高。
・ 昨年末での在庫は予想以上(北米では3ヶ月近い)で、2-3月は在庫調整のために生産を50%まで減らす。
・ 速報値ではさらに予想以上に在庫が減らず、4月は国内生産を前年比6割近く減らさねばならない可能性がある。
です。
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今後の売上や収益を予測したいのですが、ここまで経験したことのない、短期間で急激な売上の減少があるとかなり困難です。
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ここでトヨタが今までに発表した数値から来期の売上高を予想します。
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昨年の売上高は26兆2892億円、今期の第1四半期は6兆2151億円、第2四半期は5兆9753億円、よって前半の売上は12兆1904億円です。トヨタは年末に通年での売上を修正していますが、その数値は21兆5000億円ですから、年度後半の売上予測はそこから年度前半の売上を引いて出します。年度後半の売上は9兆3096億円で、これを年間に換算すると18兆6192億円!
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トヨタ発表の年度後半売上高=21兆5000億円―6兆2151億円―5兆9753
=9兆3096億円
年率換算 9兆3096兆円 X 2=18兆6192億円 !!!
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前回コメントした、来期売上高予想19兆円というのはこれが根拠です。
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この19兆円は昨年度2008年3月期の売上高26兆2892億円の約72%です。1年ほどで70%の売上に減るというのは本当にシリアスです。
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以下続く
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