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経済・経営・株式・投資 時事評論

元投資銀行マンの時事評論 (旧社長お時間です)

セリングクライマックスとは?

セリングクライマックスの意味の問い合わせが多いのでちょっと書きます。セリングクライマックスを英語で書くと、 Selling climax Selling=売却 Climax=最高点です。

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株や債券等が何らかの理由で大量の売り物が出た時(暴落)に価格の下落がおきます。その際に、何でそんなに価格が下がるのかという疑問が出るようなレベルまで下落、暴落することがあります。理由は、バブルがはじけて経済環境が悪くなって企業業績が悪化すると言ったファンダメンタルに基づくものから、信用取引による買った株の強制的な損切り(売却)、株式ファンド(投信やヘッジファンド)の解約による止むを得ない売却と言った資金的なものまで、様々なものが重なります。

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理由は幾つか複合的に重なりますが、一言でいうと需給の悪化です。売らなきゃいけない人や、暴落で怖くてもうこれ以上持つのが我慢できない人が増え、最後は理屈をこえて売りがでる、ある意味ヒステリックな状態です。その際には高値で買った株が溜まっておりそのボリュームが、買い手(買いたい)となる投資家の買いボリュームより圧倒的に多くなっているわけです。

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暴落の最終局面になると、その株の売り物がなくなります。その時点というか価格レベルの状態をセリングクライマックスと言います。

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セリングクライマックスとなるレベルは、当然ですが市場が回復、再び上昇し、後になって振り返って初めて確認できるものです。

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一般的にセリングクライマックスの後は急速に相場が回復します。セリングクライマックスは価格のオーバーシュート(overshoot=行き過ぎ、あるべき地点、価格を通り過ぎてしまう)ので、売りものが終わった時、本来あるべきであろう価格(地点)まで戻そうとする市場の力が働きます。

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プロの投資家はそのセリングクライマックス後の価格の戻り、リバウンド(rebound 立ち直り、回復)を狙います。このリバウンドは通常の株価の上昇より大きい場合が多く、その後の経済の回復と株価の更なる上昇につながるので、株を買には重要なタイミングとなるわけです。

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リーマンブラザーズの件は引き続き注目され、色々と言われているようです。

http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/jij/080913/080913_mbiz016.html

従業員としては落ち着つかないと思いますが、私も外資の投資銀行で4回の合併やら買収を経験していますが、ここまで来ると開き直って待つしかないんですよね。

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普段米系の証券とか興味のない知人からもリーマンブラザーズって何と聞かれるくらいなので、今回の注目度は高いようです。それに関連して色々な人が米系の証券・投資銀行について書いていますが、私も少々コメントを。

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まあ、色々と米国の金融機関のことをお勉強して書いている人が多いのですが、その中で特に目立つのがリーマンブラザーズについて、ブローカーあがりだとか、セカンドクラス?だとか言った非難です。

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別にリーマンブラザーズのことをかばう様な事を言うわけではないのですが、ちょっと評価の仕方というか見解が違うような気がします。

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日本人にとっては最近こそ前提が崩れていますが、金融機関は安定的な経営を行う事が社会的に義務付けられて、潰れないもの、継続するものであると一般に思われていますが、一般的に米国の金融機関は普通の企業以上に積極的にリスクをとって利益を上げる体質です。よって破綻したり身売りしたりする事が起こりうるのは想定内で商売しています。

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ブローカーあがりだからとかと言った議論はあまり意味がなく、証券・投資銀行によってそもそも収益を上げるためのリスクの取り方が異なり、それがその時代にマッチしているかどうかで、その時の収益や評価が分かれるわけです。

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例えば、

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現在、最強?といわれるゴールドマンでさえ1980年代には資金繰りが厳しく、資本を強化せざるを得ずに1986年に住友銀行から5億ドルを出資してもらっていました。(当時、住友銀行は小松頭取で、先見の明がある方でした。その投資により住友銀行はかなり儲けました。その買収で実働部隊だったのが、後にソニーで常務に招かれる近藤さんですが、そこら辺の話は後日したいと思いますが)

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よって、80年代後半に私が大学を卒業してそのまま投資銀行に入社したころは、ナンバーワンとは言えませんでした。(日本の金融機関から資金を取らねばならないほど困っているんだと見なされていたわけす。)

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80年代にナンバーワンだったのはソロモンブラザーズですが、90年初頭にたった一人のトレーダー(と言ってもヘッドですが)ポール・モーザーの不正(この不正の元となったルールは当時、ソロモンのトレーディングが強すぎて、それを牽制するために作られた入札制限ルールだったのです。)により追い詰められ、結局シティ、トラベラーズグループ傘下になりました。モーザーと共に不正に加担したと言われたのがトム・マーフィーで彼は私が新人時代にニューヨークでOJTを受けたとき、チューターとして色々指導してくれましたが、その話もいずれブログネタにしたいと思います。

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その時にソロモンから出て行ったトレーダーとクウォンツが、今のヘッジファンドのルーツとなる世界中のファンドに散っていき、その後荒稼ぎと言うか大暴れします。

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90年代中盤からは、企業と企業、あるいは企業と投資家を結びつけるM&A・ファイナンス分野主流ビジネスになり、それが得意なゴールドマン、モルガンスタンレー、JPMorganと言った投資銀行が伸びていったわけです。さらにその後はヘッジファンド、買収ファンド等の投資家が巨大化し、そこと組んだ金融機関がますます力をつけて収益をあげて行きます。

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ここで繰り返しますが、当然その時代にマッチした金融機関が力を持つだけの話で、その成否となるのが金融機関の経営陣が上手くその時流にのる経営の舵取りをできるかどうかです。

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ちなみに、野村證券で連結ベースの従業員が約18,000人、リーマンブラザーズは約29,000人、リーマンは野村の約1.5倍の従業員で、世界中50ヶ所以上で業務を展開しています。

リーマンブラザーズは何度もピンチにあって、そのつど合併したり身売りしたりして乗り切ってきました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%BA

ある意味、非常にしたたかです。

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リーマンブラザーズが小さくて大したことないと言う議論はちょっと的外れな気がしますと言った話でした。

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