

経済・経営・株式・投資 時事評論
元投資銀行マンの時事評論 (旧社長お時間です)
レバレッジで会社が潰れる? ほんとは怖いレバレッジ その3
Author: 高見澤 敦
2008年11月11日
前回までに国債を例にレバレッジの説明しました。現実には投資銀行であると国債以外に株、一般債、ローン(融資)、不動産、その他資産も所有していますが、基本的にレバレッジの作り方は同じです。
. .
リーマンブラザーズが潰れたのは、サブプライム関係のリスク計算を間違えた(審査やマネジメントにも当然問題があったはずです)ことに加え、会社としてレバレッジが高い経営をやり過ぎたということです。その結果、今回の損で自己資本を全部吹っ飛ばして会社を破綻させたわけです。そもそもレバレッジを高くしたビジネスはプロの世界でもかなり気をつけねばならない話です。
. .
ちなみにリーマンブラザーズの第1四半期のレバレッジ比率は31.7倍!!!
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-32104520080604
(何かあったら、そりゃ潰れるよね。)
. .
このレバレッジと自己資本率の議論は、銀行や証券(投資銀行)の自己資本の議論と同一と見なしていいと思います。自己資本に関しては、商業銀行には厳しい規制がありますが、投資銀行の場合は、信用力は並みの商業銀行以上なのに規制は証券に近いというちょっと歪んだ状態でした。つまり、証券業(銀行業よりリスクの高い商売)を銀行の信用力と同等かそれ以上でやっていた(多大な借り入れをした)わけです。
. .
今回、米国では民主党のオバマが政権をとりました。オバマ政権にもウォールストリートの投資銀行OBが入閣しそうですが、サブプライム問題と米国の公的資金注入で投資銀行やその他ヘッジファンドの規制を強化せざるを得なくなるでしょう。
. .
その際にもっとも強化されるのが自己資本率、つまりレバレッジの規制で、ゴールマンサックスやモルガンスタンレーといった投資銀行は、今までのハイレバレッジ型経営から、限りなく自己資本規制の厳しい商業銀行型経営に方向転換せざるを得なくなるでしょう。(商業銀行も自己資本規制とかリスク資産の計算方法とかもっと厳しくせざるを得ないはずですが、、、でないと、またいつか同じ事を繰り返してしまうのでは。。。)
. .
ハイレバレッジ投資・経営の終焉といったところでしょうか。
. .
次回、レバレッジ投資と金融工学についてです。
. .
↓皆様の応援が励みになります
↓1クリック頂ければ幸いです↓
関連する投稿
read comments (0)レバレッジの作り方。 ほんとは怖いレバレッジ その1
Author: 高見澤 敦
2008年11月7日
レバレッジの意味 (lever=>てこ。派生語でレバレッジ:leverage=>てこ作用=>転じ少額の資金で借入れを起こし、自己資金以上の投資(ビジネス)を行うこと)
. .
レバレッジの問題(優位とも取れますが)は、少額で自分の本来とれる以上のリスクを取れてしまうことです。ただ、取ったリスクで損が出た場合に払える範囲の額ならいいですが、これが社会的に影響力のある金融機関(リーマンブラザーズ、etc.)が払えなくなると、「いったいどんなリスクマネージメントしてたんだ」を通り越して社会問題化です。さらに複数の機関が多額でやった結果が今回の金融危機です。
. .
倒れた金融機関は、測ったリスク量に対して自己資本が小さ過ぎた、つまりレバレッジをかけ過ぎたわけです。(これに関してはいずれ詳述したいと思います)
. .
今までレバレッジ(少額で大きな金額のビジネスにする)を礼賛する記事や文章が多かったと思います。ここに来て手のひらを返したようにレバレッジの時代は終わったとコメントする連中が多いのであきれてしまいますが、、、、、
. .
以前から素人向けHow to 本や礼賛的コメントが多い割に、あきらかに本来のレバレッジの作り方や意味を知らない人が多い様なので、簡単な例で解説してみたいと思います。
. .
レバレッジって本来は怖いっていう例です。
. .
例えば分かりやすく説明するために、ある投資家(仮にAとします)が100という現金資産を持っていたとします。
. .
・ Aはこの資産で国債(国が発行している債券。一般的に信用度は最上位)を100買います。
・ この国債は非常に信用度が高いので担保として有効で、現金を借りる(融資)ことができます。もちろん担保には掛け目があります。ただ、国債は格付けが良いので、掛け目も高くなります。ここで仮に掛け目を95%とします。(担保には様々なものがありますが、土地だと現在は市場価格の60~70%程度でしょうか?)
. .
・ Aは100で買った国債を担保に出し、95の現金をB銀行で借ります。次にこの95の現金で95分の国債を買います。
>この時点でAのバランスシートは
195(時価)の国債を所有 100の自己資金と95の借入れ
. .
・ 次に95分の国債を担保に入れ、C銀行から現金を借ります。掛け目は95%なので借りられる現金の額は、95x95%=90.25 です。この借りることができた90.25で再度国債を買います。
>この時点で、Aのバランスシートは
100+95+90.25=285.25の国債の所有
100の自己資金と185.25の借入れ
. .
・ 次にこれを繰り返します。90.25で買った国債を担保に入れ、90.25x95%=85.74の現金をD銀行から借ります。この借りた85.74で国債を買います。
>この時点で、Aのバランスシートは
100+95+90.25+85.74=370.99の国債を所有
100の自己資金と270.99の借入れ
. .
ここ気づかれたと思いますが、100という現金で370.99と言う国債を所有する事ができました。これがレバレッジです。370.99÷100=約3.7、 つまり3.7倍のレバレッジです。
. .
これを20回繰り返すとどうなるか。Aのバランスシートは
100+95+90.25+85.74+・・・・=1318
100の自己資金と約1218の借入れ
となります。何と、100の自己資金で1218の借入れをして1318分の国債、つまりは約13倍の資産を持つ事ができました。(もちろん国債は担保に入っていますが)
. .
これが最も簡単な例ですが、レバレッジの作り方の説明です。
. .
以下、次号に続きます。
↓皆様の応援が励みになります
↓1クリック頂ければ幸いです↓
関連する投稿
