

経済・経営・株式・投資 時事評論
元投資銀行マンの時事評論 (旧社長お時間です)
投資家の株式離れ リスクマネー市場からの撤退
Author: 高見澤 敦
昨日の日経新聞の1面記事に「世界のマネー 株式離れ鮮明」と言う記事が記載されています。景気減速を警戒して、世界中の主要都市で今年は株価が下落しており、リスク資産市場から投資家が資金を引き上げていると述べています。
(それにしても中国株式の下落はすごいですね。独立系ファンドをやっている友人がいますが、中国にかなり投資していました。大丈夫かな? 怖くて聞けません。)
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この景気減速の理由がサブプライムか、中国のバブルか、天然資源高騰かはともかく、現在の経済はグローバル的な連動が強く、世界中で景気減速の影響を受けており、リスク資産である株式市場から一旦引き上げているというか、撤退をしています。
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少々話は横道に外れます。
上記のように実体経済がグローバルに動いているのと同様、投資家(マネー)もボーダレスに動いています。それがヘッジファンドとか再生、ハゲタカファンドという名前で日本の投資市場にも来ているわけですが、ここ最近かなり様子が変です。
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ヘッジ、再生、ハゲタカ、不動産等、海外からのファンドは自らの名前で投資する場合もありますが、SPCを使って別名で投資したり、あるいは国内独立系のファンドに預ける形で投資(ファンド オブ ファンズ)したりするので、予想以上に投資市場に影響を与えていると思われます。(かつて私もM&Aの投資案件でヘッジファンドに何度かお願いに行っておりました。)
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こういったファンドにも当然、出資者(投資家)がいるわけですが、その要求する収益率は高いので、ファンドはどうしても期待収益の高い、つまりはリスクも高い資産に投資しなければならないのです。
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そうなると投資先はどうしても新興企業(ベンチャー)、値動きの激しい仕手株、M&A等で上昇が見込める株、不良債権の買い叩き(ハイエナ系、良い言い方をすれば企業再生系)等にならざるを得ません
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今回、ヘッジファンドへの投資家が市場を懸念して解約が相次いでいます。(これはヘッジファンドへの投資家に限らないのですが)そのため、ヘッジファンドは資産売却して撤収せねばならなかったり、あるいは解散、最悪破綻と言ったことになっています。
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すでにこれは昨年から続いていました。
例えば3月にブルームバーグが記事を出しています。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=agkN7yz2E2To
記事を要約すると、ヘッジファンドの運用内容が悪化して解約等が続いているというものです。そこでブルームバーグが調べた問題のあるファンド一覧を下記に並べています。
Firm Fund Action Assets*
Drake Capital Global Oppts. May close $3 Bln
Drake Low-Volatility May close N/A
Drake Absolute Return May close $1.5 Bln
GO Capital Global Oppts. Redemption halt $880 Mln
Citigroup ASTA, MTA $1 Bln Infusion $2 Bln
Citigroup CSO Redemption halt $500 Mln
Peloton ABS Fund Liquidating $1.8 Bln
Peloton Multi-Strategy Redemptions halt $1.6 Bln
Tequesta Mortgage Fund Liquidated $150 Mln
Focus Capital Sold assets N/A
Cheyne Queen’s Walk Incurred losses $441 Mln
D.B. Zwirn Special Oppts. Shut $4 Bln
Deephaven Event Fund Liquidated $780 Mln
Sailfish Multi-Strat Lost Assets $1.9 Bln
まあ、相当な量です。3月の時点でこの状況なので、最近はもっと増えているはずです。
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最近続けてヘッジファンド関連のニュースが出ています。
8月22日 日経新聞 「ヘッジファンド経営悪化、破綻や解散相次ぐ」
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20080821D2M2100Y21.html
8月25日 ロイター 「米ヘッジファンドのオーア・ヒル、主力ファンドの解約制限」
http://money.jp.msn.com/investor/funds/news/newsarticle.aspx?ac=JAPAN-334230&cc=03&nt=02
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まずい状況は続いていますね。いずれも米国のファンドのニュースですが、これも日本への影響は少なからずあります。
例えば、上記リストに「D.B. Zwirn」というファンドがあります。
日本でも投資活動は活発でした=> http://www.hunet.com/dbz/03.html 上場企業まで買収をかけていました。ところがファンドの解約が相次いで回収せねばならなくなっているようです。当然、彼らが所有している資産は売却せねばならないでしょうね。(ちなみに本部のホームページ http://www.dbzco.com/ は先頭のページのみ。)
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これが続くと、ヘッジファンドの投資比率が高い企業の株主から個人投資家等が逃げ出す可能性が大です。(ファンドの強制解約売りを恐れて)
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さらに悪化すると、ファンドと投資先企業の関係は当然ながら悪くなるのに加え、投資先そのものがおかしくなります。
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まだしばらく受難が続きそうですね。
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read comments (1)「トヨタ、28%減益」 だから、それが? チャンスでしょ。
Author: 社長
7日にトヨタ自動車が2008年4-6期の連結決算を発表しました。純利益が前年比28%減の「3526億円」となったとの事です。
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日経新聞では、円高の要因もありますが、原材料費の高騰に対しても原価低減が追いつかなかったとコメントしております。また、他社に比較して北米と大型車の依存が高く、その分不振となったと分析しています。一方で、他社で小型車と新興国での売上が貢献して損益が改善したところがあるとも報じています。
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ここ数年の新興国の経済発展と現在の資源高からすれば、上記の結果は当然と言えます。
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では何でそれを予測できなかったと言えば、それは予想ができた、できなかったと言うことでなく、あのクラスの巨大企業だとマネジメントや企画は簡単には身動きできないと言うことです。
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大型タンカーは止まるのにスクリューを逆回転させても数キロかかるそうです。巨大な製造のグローバル企業も同様で、すぐには巨体のコントロールはできません。現地生産やら商品開発やらを完成させるのに当然数年かかります。
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別に私はトヨタのスポークスマンや回し者ではありませんが、戦略のプライオリティとして米欧先行重視は正しかったと思います。ただ、これだけの急速な先進国の経済失速と原油高は予測できなかったということです。
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トヨタの利益減ったと言っても4半期で3000億円以上あります。膨大な投資余力が残っています。
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他国のメーカーが弱っているなか、かえって有利ではないでしょうか。
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例えばですが、市場を奪い(支配)に行く(開発ばかりではなく、ライバルのM&Aと言う手もあります。)、あるいは新興国への進出(もう開始しているでしょうけど、天然資源所有国で現地生産できそうな国に進出)
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ここまでメーカーを応援するのは、原油高で潤っている資源保有国に車(製品)を売って、コストとして出て行った利益を回収して欲しいとの考えがあるからです。トヨタあたりはその例です。
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製造業で利益を上げる、当然、それが日本の生きる道だと思います。そこでこの状況を逆にチャンスと捉えて欲しいです。
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